Microsoft から、本問題に関する修正アップデートが公開されました。
このアップデートを適用することで、本問題は解決します。
(ただし、Windows Update からの自動アップデートなどはできません。ファイルをダウンロードして手動でアップデートする必要があります。前述のページ中程の「938979 パッケージ」をクリックしてダウンロードしたファイルを実行してください。)
このアップデートにより、本ソフトの必要性は無くなると思いますが、アップデート前のVistaで出力したAVIファイルを修復するためには必要ですので、本ソフトはこのまま公開を続けます
Vista AVI Modifier
Vista のバグ修正アップデートが公開されました
Vista AVI Modifierとは
Windows Vista で作成した、壊れたAVIを修復するツールです。
KB938979のアップデートを行う前のWindows VistaにはOS上のバグがあり、使用しているアプリによっては、 Vista上で出力すると壊れたAVIファイルが出来るようになります。
本ツールを使うことで、正しいAVIファイルに修復できます。
KB938979のアップデートを行う前のWindows VistaにはOS上のバグがあり、使用しているアプリによっては、 Vista上で出力すると壊れたAVIファイルが出来るようになります。
本ツールを使うことで、正しいAVIファイルに修復できます。
利用条件
本プログラムを使用したために発生した損害等については一切責任を持ちません。
そのことについて了承していただけるのであれば、どの様な目的に利用しても一切構いません。
問題の概要
- ・使用 OS :
- Windows Vista でAVIを出力した場合 (当然ながら、XPや2000などでは、この問題は発生しません)
- ・AVI作成アプリケーション :
-
Video for Windows API を利用して AVI ファイルを出力するソフト(DoGA製: とてかん、DOGA-E2、DOGA-Lシリーズ、AVスプライサ(仮) など)
DoGA製でないものでも、Video for Windows API を使用したソフトであれば、同じ問題が発生します。
AVI を作成するソフトでも Video for Windows API を利用してないもの (DirectShow API を使ってAVIを出力するソフトや、APIを使わず独自にAVIを出力するソフト)の場合は、この問題は発生しません。 - ・問題内容 :
-
出来たファイルを、 Video for Windows API を利用するソフトに入力させた場合、映像が正しく扱えません。(壊れた画像が表示されます)
Windows Media Player など、DirectShow を利用するソフトの場合は問題なく表示されます。
ダウンロード
vistaavi_20070201.exe : 自己解凍プログラム
vistaavi_20070201.lzh : LZH形式
どちらも入っているプログラムそのものは同じです。 また、インストーラなどはありません。適当なフォルダに展開して、中の VistaAVI.EXE を実行してください。
動作環境
Widnows 2000/XP/Vista (Windows 98 でも動くと思いますが未確認) 本ソフト自体は、Vista 以外の環境でも利用可能です。使用方法
Vista AVI Modifier (VistaAVI.exe)を起動すると、ファイル一覧画面が表示されます。
- ・処理対象ファイルの追加
-
[追加] ボタンをクリック、もしくは、Explorer などからファイルをドラッグドロップすることで、処理対象のファイルを追加できます。
また、VistaAVI.exe そのもののアイコンにドラッグドロップすると、起動と同時に処理対象ファイルに追加します。
- ・変換方法
-
「元ファイルを書き換える」を選んだ場合、指定したファイルそのものを書き換えます。 もしかしたら、修復処理によって逆に AVI ファイルがよけいに壊れてしまうかも知れませんので、注意してご利用ください。
「コピーする」を選んだ場合、コピー先に指定したフォルダに、ファイルを修復しながらコピーします。指定したファイルそのものは変更しません。
- ・実行
-
処理対象ファイルの追加し、変換方法を指定してから「実行」をクリックすると、「書き換え」または「コピー」によるファイル修復を行います。
以上の手順で、壊れたAVIファイルの修復ができます。
バージョンアップ履歴
- Version 2007.2.1
- 最初の公開バージョン
技術解説
以下、Vista で出力するファイルの問題の詳細と修復手順を解説します。
データ内容
Video for Windows API で出力するAVI ファイルファイルは、以下のような構造になっています。
RIFF ヘッダ LIST チャンク「hdrl」 (データフォーマット情報など) 200〜300バイト avih チャンク LIST チャンク「strl」(映像フォーマット情報) LIST チャンク「strl」(音声フォーマット情報)※音声付の場合のみ JUNK チャンク 1700〜1800バイト LIST チャンク「movi」 (データ本体) LIST チャンク「idx1」 (頭出し用インデックス)この「JUNK」チャンクは、データとしては意味のない穴埋め用で、それにより「movi」チャンクのデータ本体は、2048バイト目から始まるようになっています。
Vistaで出力した場合、この「JUNK」チャンクのサイズが0バイトになっており、その直後から「movi」チャンクが始まっています。 ところが、実際のデータは、2048 バイト目から始まっていますので、 データ本体の先頭にゴミデータが埋まっていることになります。
修復方法
- ・ヘッダの修正
-
「ゴミデータ」がJUNKチャンクの所属になるように、
- JUNKチャンクのサイズを、ゴミデータのサイズに修正する
- 実データの直前に、新たなmoviチャンクを書き込む
- ・インデックスの修正
-
「idx1」チャンク内の頭出しデータは、moviチャンクのデータ先頭からのバイト位置が記録されています(Vista の場合、ゴミデータを含めた位置に)
そこで、上記ヘッダの修正に合わせ、逆にインデックスの位置を減らします。
実例1. Vistaで作成したデータ:
000000: 52 49 46 46 B4 0B 02 00 41 56 49 20 4C 49 53 54|RIFF AVI LIST|←hdrlチャンク 000010: C0 00 00 00 68 64 72 6C 61 76 69 68 38 00 00 00| hdrlavih | 000020: 35 82 00 00 C0 18 01 00 00 00 00 00 10 08 00 00| | 000030: 14 00 00 00 00 00 00 00 01 00 00 00 BE 9D 00 00| | 000040: 80 02 00 00 E0 01 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 000050: 00 00 00 00 00 00 00 00 4C 49 53 54 74 00 00 00| LIST | 000060: 73 74 72 6C 73 74 72 68 38 00 00 00 76 69 64 73|strlstrh vids| 000070: 6D 73 76 63 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00|msvc | 000080: 01 00 00 00 1E 00 00 00 00 00 00 00 14 00 00 00| | 000090: BE 9D 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0000A0: 80 02 E0 01 73 74 72 66 28 00 00 00 28 00 00 00| strf | 0000B0: 80 02 00 00 E0 01 00 00 01 00 10 00 43 52 41 4D| CRAM| 0000C0: 02 DC 05 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0000D0: 00 00 00 00 4A 55 4E 4B 00 00 00 00 4C 49 53 54| JUNK LIST|←JUNKチャンク サイズは0 0000E0: 90 09 02 00 6D 6F 76 69 00 00 00 00 00 00 00 00| movi |←moviチャンク 0000F0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 000100: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | (略) ここは movi チャンクのデータとなってるが、先頭にゴミが詰まってる 0x0000E8〜0x0007FFの1816バイト。 0007E0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0007F0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 000800: 30 30 64 62 BE 9D 00 00 00 80 00 80 00 80 00 80|00db |←1コマ目のデータの始まり moviチャンクの先頭から数えると、0x00800 - 0x0x00e4 = 1820バイト目 (略) 020A70: 2A 85 00 00 69 64 78 31 40 01 00 00 30 30 64 62| idx1 00db|←idxチャンク 020A80: 10 00 00 00 1C 07 00 00 BE 9D 00 00 30 30 64 63| 00dc|←1コマ目の開始位置 0x071c=1820バイト(ゴミの1816バイト分多い) 020A90: 00 00 00 00 E2 A4 00 00 FC 0B 00 00 30 30 64 63| 00dc|←2こまめの開始位置 0xa4e2=42210バイト(ゴミの1816バイト分多い) (略)
実例2. 正しいデータ:
000000: 52 49 46 46 B4 0B 02 00 41 56 49 20 4C 49 53 54|RIFF AVI LIST|←hdrlチャンク 000010: C0 00 00 00 68 64 72 6C 61 76 69 68 38 00 00 00| hdrlavih | 000020: 35 82 00 00 C0 18 01 00 00 00 00 00 10 08 00 00| | 000030: 14 00 00 00 00 00 00 00 01 00 00 00 BE 9D 00 00| | 000040: 80 02 00 00 E0 01 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 000050: 00 00 00 00 00 00 00 00 4C 49 53 54 74 00 00 00| LIST | 000060: 73 74 72 6C 73 74 72 68 38 00 00 00 76 69 64 73|strlstrh vids| 000070: 6D 73 76 63 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00|msvc | 000080: 01 00 00 00 1E 00 00 00 00 00 00 00 14 00 00 00| | 000090: BE 9D 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0000A0: 80 02 E0 01 73 74 72 66 28 00 00 00 28 00 00 00| strf | 0000B0: 80 02 00 00 E0 01 00 00 01 00 10 00 43 52 41 4D| CRAM| 0000C0: 02 DC 05 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0000D0: 00 00 00 00 4A 55 4E 4B 18 07 00 00 00 00 00 00| JUNK |←JUNKチャンク サイズは 0x0718=1816バイト 0000E0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0000F0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 000100: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | (略) ここは JUNKチャンクのデータ 0007E0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00| | 0007F0: 00 00 00 00 4C 49 53 54 78 02 02 00 6D 6F 76 69| LIST movi|←moviチャンク 000800: 30 30 64 62 BE 9D 00 00 00 80 00 80 00 80 00 80|00db |←1コマ目のデータの始まり moviチャンクの先頭から数えると、0x00800 - 0x0x07fc = 4バイト目 (略) 020A70: 2A 85 00 00 69 64 78 31 40 01 00 00 30 30 64 62| idx1 00db|←idxチャンク 020A80: 10 00 00 00 04 00 00 00 BE 9D 00 00 30 30 64 63| 00dc|←1コマ目の開始位置 0x0004=4バイト 020A90: 00 00 00 00 CA 9D 00 00 FC 0B 00 00 30 30 64 63| 00dc|←2コマ目の開始位置 0x9dca=40394バイト (略)